陶器と磁器の違いは?
素敵な器は食卓を演出し、気分も華やかに彩るものでもあります。日本の「やきもの」は海外でも人気で、世界に誇れる文化の一つといえます。
「陶器」と「磁器」を合わせて「やきもの」といいますが、2つの違いはご存知でしょうか。
「陶器」...「土もの」と呼ばれるように、陶土という粘土が原材料です。ひび割れが起きやすいため、ガラスの材料となる珪石や長石を混ぜて使います。
土のぬくもりや素朴さが感じられ、厚手です。
叩くとゴンと鈍く低い音がします。
「磁器」...「石もの」と呼ばれ石英や長石などの陶石が原材料です。これらを粉砕して粉にし、粘土と混ぜて使います。
ガラス質が高いため、なめらかで硬質、洗練された印象で薄手です。叩くとキーン、カンカンという金属的で高く澄んだ音がします。
日本六古窯とは?
日本古来の陶器窯のうち「中世(平安末期~安土桃山時代)から約900年以上の歴史があり、現在も生産が続いている」という条件に合致した窯が現在6つあり、それを総称して日本六古窯と呼んでいます。
信楽焼 (滋賀県甲賀市信楽町)
備前焼 (岡山県備前市伊部)
丹波焼 (兵庫県篠山市今田町立杭)
越前焼 (福井県丹生郡越前町)
瀬戸焼 (愛知県瀬戸市)
常滑焼 (愛知県常滑市)
陶器と磁器の扱い方
あまり意識しないで使っているかもしれませんが、それぞれの特徴があるので、知って使わないと破損にもつながります。ぜひこの機会に目を通してみてください。
「陶器」...水やぬるま湯に30分程度浸すと調理時に油やにおいが浸み込みにくくなります。
使用後は早めに中性洗剤でやさしく洗いましょう。つけおき洗いはカビの原因になるのでNGです。
もし、カビが生えてしまったら煮沸して取り除き、風通しが良いところで乾燥させましょう。
「目止め」...シミやひび割れの予防に、陶器を米の研ぎ汁や片栗粉・小麦粉の汁と煮て、表面をコーティングします。 購入した時の風合いを少しでも維持するには目止めをした方が効果的です。器を長持ちさせるだけではなく、手間をかけた分だけ愛着も深まります。
土鍋を使用後は、鍋が冷めてから洗いましょう。鍋が熱いうちに冷たい水を入れたりすると、急激な温度の変化でひび割れを起こす場合があるので注意してください。
「磁器」...使い始めはほこりなどをとるために、ぬるま湯で洗いましょう。
使用後は中性洗剤でやさしく洗いましょう。金彩、銀彩、色絵ものなどは色落することもあるので、漂白剤の使用はなるべく避けてください。
電子レンジの使用については、陶磁器ともに金や銀の色のついたものはNGです。 陶器は磁器よりも強度がない為、ひびが入ってしまう可能性もありますので、なるべく耐熱用の厚いものを使うようにしましょう。